森の学校に関わる教師の子どもたちに対する想いをご紹介します。

 

【機関誌「森」『卒業に寄せて』より抜粋】

 

<1・2年生合同クラス及び3年生担任 わたなべ>

 

卒業・進級おめでとうございます。

毎年しみじみ1年間のあれこれが思い出されると同時に、卒業していく子ども達や進級する子ども達のこれからを期待して感慨深いものになる。だが、2018年は不思議な奇跡から始まり、様々なご縁が広がった1年だったと振り返っている。

 

春。

森の学校教師は、各学年の学習イメージ図を描くことからその1年が始まる。

今年度の3年生には「昇り龍」を、1.2年生には「花と蝶」を私は描いた。すると保護者から、「多摩川上空に龍の雲が現れた」と連絡があり、写メが送られてきた。

びっくりした。たかが雲である。見方は人それぞれのはずなのだが、確かにその雲は龍の姿に見えてしまうフォルムなのだ。

”「登竜門を見事に通過した鯉が変化し龍神となった」という言い伝えから子どもの人生の大願成就を願う””特に天を雄々しく昇る「昇り龍」は心願成就祈願”、など龍は瑞兆をもたらす吉祥画として古来から数多く描かれてきたとされる。

鰯の頭も信心からというように、私はこの奇跡的な報告を「森の学校の瑞兆だ!」と受け止めることにした。運営側が前向きで楽しそうにしていれば必ず周囲に伝わり、よい流れや雰囲気を引き寄せることができるからだ。

するとどうだろう!ツキが巡ってきたように、次々と形になっていった。

 

夏。

「さんさんくらぶってどんなところ?」「薗田さんってどんな人?」正直言って半信半疑で始まった米づくりは、さんさんくらぶと森の学校がお互いにwin-winとなるように進み、代掻き、田植え、案山子づくりへとつながり、秋冬の稲刈り、脱穀、しめ飾りづくり、餅つきへと展開していくことになった。

それは3年生の授業として計画されたものであったが、全学年交流やシュタイナー教育に関心ある一般家庭が参加できる機会ともなった。

また多摩川土手での家づくりについても、森の学校の歴史で初めて上棟式(餅まき)を加えることができた。この時も、全学年が多摩川土手に顔をそろえることができた。

 

さて、卒業学年の3年生。各々がそれぞれに繊細な心の持ち主だった。個性が全く違う3人の成長と授業は毎回毎回手綱を引いたり緩めたり忙しかった。それでも90分の授業を終えるときには同じような方向を向く目の輝きになるのが教師をしていて楽しい瞬間だった。ルビコン期はそんな彼らにも訪れて、一人ひとりが森の学校よりも他の世界に対する興味と関心が広がっている。自我の発露。いよいよ森の学校から旅立つときがきた。

 

2年生と1年生。何を題材に授業を始めても、キラキラした目を輝かせ教師の動きを見聞きしマネし、素直な感想を言葉と身体で表現してくる。まさに”世界は美しい”と感じる姿が体現されている。彩り豊かになりパワーアップした子どもたちが進級する。これからの森の学校を支えていく子ども達になる。

 

公立の小学校とは一風変わった切り口と時間の流れの中で過ごす森の学校の時間は、子供たちの心象にかけがえのない経験になっていると信じて私は授業に取り組んできた。

 

昇り龍の奇跡から始まり、様々なご縁が広がったこの1年、この勢いと上向いた気流は、きっと2019年度に引き継がれるに違いない。

森を支える大人たちは忙しいながらもお互いに気を配り、意見を突き合わせながら、よりよい形や結果になるように活躍している。それは大人の学びであり、そうした大人の姿は何よりも子ども達の生きる手本となる。

 

卒業と進級は1つの区切りであるが、未来につながる一歩でもある。2018年度に、森の学校を通じて出会い、同じ時間を過ごした子ども、大人、家族、他団体のご縁に感謝するとともに、2019年度は森の学校の好転を期待したい猪の力に背中を押してもらって、ススメ、ススメ、ススメー!

 

 

 

 

<助手(現副担任) ねもと>

 

「森の学校」ご卒業おめでとうございます。

 3年間という長くも短い期間の中で共に育つ環境にいることができた喜びは、なんといってもこの卒業式で最大限に大きくなるような気がします。わずか月に2回ほどの授業での活動ですので、そのときはなかなか感じにくいですが、ひとりひとり生きていくたくましさを増していることを感じると同時に、この子供たちへ未来を託せる安堵感が湧いてきます。

卒業生保護者の皆さまには暖かく叱咤激励をいただきまして有難うございました。何より教師会を信じて支え続けていただき、現在進行形で共に育っていることが感じられ、教育(共育)の醍醐味と申しますか、喜びを味わわせていただいていることにただただ感謝です。末筆ではございますが、今後もOB,OGとして背中を押していただければ幸いです。